省エネ住宅(エコ住宅)について①
大震災以降、電力使用制限などにより、特に関東では節電意識の高まりと同時に、エコ住宅への関心が高くなっています。エコ住宅と言えば太陽光発電や省エネ家電など電気の消費に関することが注目されていますが、本当にそうなのでしょうか?いや、それだけで良いのでしょうか?
① バランスのとれた森林伐採
本来、日本の住宅は、近くの山の木を切り出し、加工して建てていました。また、素材も木、土、紙など出来るだけ近くで手に入る、自然の素材を利用していました。特に、江戸時代の日本では、森林と野原と都市の間のバランスを壊さないために、実にさまざまな慣習や規制が存在していました。建材に始まり衣服に至るまで、人々の身の回りのものは機能の高さと美しさを両立させていて、しかもほぼすべてが再利用されるか、堆肥として土に還されるかをしていたといいます。
② 過去と現在
特に目を見張らされるのは、当時の日本社会がどのようにして天然資源の持続可能な利用を実践していたのかということです。例えば、森の木材の採取は、自然に地面に落ちた枝だけ、しかも人が背中に載せて運べる量しか持ち帰ってはいけないものとされていました。灌漑システムは、水が水田を通過することによって濾過されるようにできていて、交通・輸送手段は、家畜に依存するのではなく、人力と水上交通が中心でした。人間の排泄物を堆肥として利用することにより、廃棄物の量を減らしていたことも注目に値します(ちなみに、豊かな食生活を送っていた大名や芸人の排泄物は特に高値で売られていたそうです)。
自然環境を守るためには、江戸時代の日本のように、生活の快適さと環境保護を両立させる道を探るべきなのではないでしょうか。「善行をせよ」「未来の惨事を防げ」と言われても乗り気にならない人も、きれいな空気や快適な居住環境、自然に囲まれた暮らしといったメリットを示されれば環境保護に取り組もうと思うかもしれません。
③ 『エコ住宅』とはどんな家?
簡単に言うと「自然界にある素材を極力多く取り入れた材料を使用し、結露対策や省エネルギー対策を図り、かつメンテナンスがしやすい家」ということになります。詳しく説明すると、まず構造躯体が長持ちするものであること。つまり必要な耐震性能を持っており経年劣化しないように結露対策がしっかりされていること。初期性能を維持するために、断熱、気密、換気、冷暖房計画がきちんとなされてあること。次に素材については製造、施工、居住段階から解体、廃棄に至るまで健康・環境のことをトータルに考えて配慮したものから家を造ること。そして住宅を長寿命にするため、メンテナンスがしやすく、かつ年月とともにアンティーク効果が得られる造り方にしてあること。これらを前提に中古住宅流通の対象となること、すなわち中古住宅流通性能を考えた設計がなされていること。中古住宅としての価値が高ければ、住宅は短命に終わらず長寿命住宅となるはずです。これらを総括して『エコ住宅』と定義しています。海外の住宅事例をひもとけば、当たり前のことですし、本来、日本の住宅建築の原理原則がこの『エコ住宅』なのです。
④ 自立循環型住宅の勧め
当社においては、「自立循環型住宅」の取り組みを積極的に進めています。自立循環型住宅とは 気候や敷地特性など立地条件と住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で 建物と設備機器の選択に注意を払うことによって居住性や利便性の水準を向上させつつ 居住時のエネルギー消費量(CO2排出量)を2000年頃の標準的な住宅と比較して50%にまで削減可能な住宅をいいます。やってみると50%削減は大変な数字であると言うことが分かります。しかし、コストの制約などにより、一つの住宅で達成できるエネルギー削減が大きくなくても、数多くの住宅でその対策が講じられれば、社会全体としてエネルギーの削減は着実に増えていきます。
⑤ 最後に…
いかがでしたでしょうか。そんな「省エネ住宅」にも気を使ったモデルハウスが続々公開中です。是非下記のリンクからご覧になってください。